予防のお悩み
予防のお悩み

ドラッグストアの店頭には、赤ちゃん用から小学生用まで数多くの子ども用歯ブラシが並んでいます。毛の硬さはどれがいいのか、いつ大人のハミガキ粉に変えるべきなのか、毛先がどのくらい開いたら交換するのかなど、毎日の道具選びに迷ってしまう親御さまは非常に多いです。また、お子さま自身が磨く用と、親御さまが仕上げ磨きに使う用では、選ぶべき歯ブラシの形状や長さが全く異なります。
当院の定期健診では、お子さまの現在のお口の大きさと歯の生え方に最も適した歯ブラシを、歯科衛生士がピンポイントでお選びしています。毛先の硬さやヘッドの大きさ、グリップの握りやすさまで考慮し、おうちでのハミガキがスムーズになるよう丁寧にレクチャーします。また、毛先が少しでも開くと汚れを落とす力が下がってしまうため、効果的な交換のタイミングや、ハミガキ粉に含まれるフッ素濃度の安全な年齢別の使い分けについても分かりやすくお伝えしています。
まだうがいが上手にできず、ハミガキ粉をゴクンと飲み込んでしまうけれど、身体に悪影響はないのか、フッ素入りのジェルはいつから使い始めていいのかという不安は、歯の生え始めの時期に多くの親御さまが抱えるお悩みです。フッ素がむし歯予防に良いと分かっていても、安全な量や使い方についての正しい知識が不足していると、使うのをためらってしまいがちになります。
うがいができない小さなお子さまであっても、年齢に応じた適切な量(米粒程度や小豆程度など)を守れば、フッ素入りのハミガキ粉やジェルを使用しても健康上の問題はありません。当院では、国の基準に準じた安全なフッ素濃度の選び方を分かりやすく解説しています。おうちでの毎日の低濃度フッ素と、歯科医院で数ヶ月に1回行う高濃度フッ素塗布を安全に組み合わせることで、生えたてのデリケートな乳歯をしっかりと守り、むし歯に負けない強い歯質を育てていきます。
おやつを頻繁に欲しがって、時間を決めずにダラダラと食べさせてしまう、スポーツドリンクや乳酸菌飲料、ジュースを水代わりに飲んでいるといった食習慣は、むし歯リスクを急激に高める大きな原因です。親御さまも頭では良くないと分かっていても、お子さまが泣いて欲しがったり、機嫌を取るためにどうしても与えてしまったりして、習慣をなかなか変えられずに悩んでいるケースが多々あります。
むし歯の発生には、お口の中が酸性になっている時間の長さが深く関係しています。ダラダラ食べをすると、お口の中が常に酸性の状態になり、歯の表面が溶けやすくなります。当院では、単におやつを禁止するのではなく、食べる時間の間隔の空け方、むし歯になりにくいおやつの選び方(キシリトールなどの活用)、ジュースを飲んだ後の適切なケアなど、無理なく実践できる食育アドバイスを親御さまのライフスタイルに合わせて丁寧に行っています。
お子さまの歯並びが緊密で、奥歯の間にいつもお肉や野菜の繊維、お菓子のカスが挟まってしまうお悩みです。歯ブラシの毛先だけでは、このような歯と歯の間の頑固な汚れを落としきることは難しく、親御さまががんばって磨いていても、いつの間にか見えない隙間でむし歯が進行してしまう原因(隣接面むし歯)になることがあります。
奥歯の隙間の汚れを落とすためには、歯ブラシだけでなくデンタルフロス(糸ようじ)の活用が欠かせません。しかし、子どもにフロスを使うのは怖い、痛がってやらせてくれないという親御さまも多いです。当院では、お子さま向けのカラフルで使いやすいホルダー付きフロスの紹介や、歯茎を傷つけない安全な通し方のコツを歯科衛生士が実演してお教えします。定期健診では、肉眼で見えにくい隙間の初期むし歯の兆候をプロの目でしっかりチェックし、未然に防ぎます。
お口の中をよく観察している親御さまほど、前歯の表面などにポツッとできた不自然な白いシミや斑点に気づいて不安になります。黒くないけれど、これもむし歯なのか、ハミガキでこすっても消えないけれど、どうしたらいいのかという疑問です。これは、初期むし歯のサインである場合と、歯が作られる段階でのカルシウム不足(エナメル質形成不全)である場合があります。
白い斑点の正体がむし歯の初期段階(CO:要観察歯)である場合、まだ歯の表面が少し溶け始めているだけなので、削る必要はありません。歯科医院で高濃度のフッ素塗布を行い、ミネラルを補給してあげることで、歯の表面を元通りに修復する再石灰化を期待することができます。当院では、その白い斑点がどのような原因でできているのかを精密に診断し、削らずに綺麗で健康な歯を維持するための最適な経過観察と予防アプローチを行います。
学校の健康診断でいつも健康と紙をもらってくるから、わざわざ歯科医院へ定期健診に行く必要はないのではと考えている親御さまは少なくありません。しかし、集団検診は限られた時間の中で、明るいライトや専用の器具がない環境で、目視だけで行うスクリーニングです。そのため、一見むし歯がないように見えても、実は隠れたトラブルが見落とされていることがあります。
学校の検診は非常に素晴らしい制度ですが、初期のむし歯や、歯と歯の間の見えないむし歯、初期の歯肉炎などを細部まで発見することには限界があります。当院の予防定期健診では、専用の明るいライト、歯科用ミラー、さらに必要に応じて精密な検査やレントゲン撮影を行うことで、学校検診では見つかりにくい隠れたむし歯の芽を早期に発見します。検診で異常なしと言われたからこそ、その健康な状態を長くキープするために、プロのメンテナンスを受けていただくメリットがあります。
自分も夫もむし歯が多くて苦労したから、子どもにも遺伝してしまうのではないか、ハミガキの手を抜いていないのに、すぐにむし歯ができてしまうのは歯の質が生まれつき弱いからなのかといった、お子さまの体質や遺伝に関する深いお悩みです。周囲の子どもと比べてしまい、親御さまが一人で責任を感じて悩んでしまうケースも多く見られます。
確かに、生まれつき歯のエナメル質が薄かったり、唾液の量が少なくてお口の自浄作用が弱かったりする体質的なリスクは存在します。しかし、むし歯は遺伝だけで決まるわけではなく、お口の中の細菌の数や、食習慣の組み合わせによって引き起こされる病気です。当院では、お子さまの唾液の性質やリスクをしっかりと把握した上で、体質的にむし歯になりやすいなら、フッ素塗布の回数を少し増やそう、奥歯の溝をあらかじめシーラントで埋めてガードしようといった、リスクをカバーする独自の予防対策をご提案し、親御さまの不安を安心へと変えていきます。
小学生になったから、もう自分で磨かせるべきなのか、いつまでも親が手伝っていては、自立の妨げになるのではないかという、仕上げ磨きの卒業時期に関するお悩みです。子どもが自分で磨ける!と主張し始めると、ハミガキを任せてしまいがちですが、実は子ども自身のハミガキだけでは、細かな手の動きや空間の認識が未熟なため、多くの磨き残しが発生してしまいます。
当院では、目安として小学校を卒業する頃(10歳から12歳頃)までは、夜だけでも親御さまによる仕上げ磨き、または最後のお口のチェックを続けていただくことをお勧めしています。なぜなら、この時期は一生モノの永久歯が生え揃う最も大切で、かつ乳歯と永久歯が混ざり合って最もハブラシが届きにくい危険な時期だからです。当院の定期健診では、お子さま自身のハミガキ技術を育てるブラッシング指導を行いながら、親御さまの仕上げ磨きの負担が少しずつ軽くなるような、自立に向けた優しいステップを段階的にサポートしていきます。
